英語を母国語としない人の為のジャズヴォーカルレッスン
を始めることにしました。基本的にマンツーマンの個人レッスンです。
また、『歌う事には興味はないけれど、英語の発音を良くしたい。』というアメリカ在住の方ならではのご要望もあり、英語発音レッスンも合わせて行う事にしました。
NYには世界中からジャズヴォーカリストや、ミュージカルシアターのアクターを目指して大勢の人たちがやってきます。そんな中で日本人のネックはやはり、言葉なんですね。日本人はダンスのオーディションは通るけど、歌やモノローグで発音の壁があって、特別な場合を除き、なかなかメインキャストに採用されない厳しい現実があります。主人がジャズを教える大学でもアジア人ヴォーカリストは、やっぱりヨーロッパや南米の生徒と比べると発音が格段に悪いそうです。大学のジャズヴォーカルの教授や講師はジャズを教え、アドバイスする事は出来ても、発音を教えるテクニックはありませんし、限られたカリキュラムの中で発音を教えている時間はないので、結局ところてん式に発音の悪い学生が卒業していくそうです。(卒業に必要な単位をとって授業料さえ納めれば、アメリカの大学は卒業できますからね。プロとしてアメリカで仕事が出来るかどうかは別の次元の話です。大学もビジネスですから。)
NYは雑多な人種が共存して生活しているので、文法が多少間違っていたり、強い訛りがあったりしても、言いたいことが言えて相手に伝わり、それに対する返事が理解出来さえすれば生活にはさほど不便はないんです。NY在住のアメリカ人もそんな不正確な英語を聞く事に慣れてしまっています。ただし、生き馬の目を抜くNYのビジネス上ではそんな事は言ってられませんよね。上司、部下、クライアントに発音が悪いせいで言いたい事があっても躊躇してしまったり、商談、スピーチ、プレゼン、インタビュー等、此処ぞと言うときに良い印象を与える為にも、声の出し方や発音は、話し方としてとても大事な要素になります。これは日本語に置き換えて考えてみれば納得できますよね。
そうそう、こんな友人の話もあります。彼女はNYで大学院を卒業し、結婚して子育てもし、アメリカ人ばかりの職場で仕事もしています。そんな英語生活大ベテランの彼女ですが、レストランで"Green Tea, Please."と言って注文したのに、アールグレーがサーブされたそうです。それも異なる店で2回も!
では、発音を良くする為に何をするのか。。。?
発音記号を徹底的に習得
日本人には英単語をローマ字読みする癖がついています。日本語に無い発音も日本語の発音を代用して発音しているのです。
例えば、英語の母音の数は日本語の母音の数より多いですが、日本人の殆どはその違いが判っていないか、なんとなく発音しているかのどちらかです。一つ一つの発音記号を顔や口内の筋肉を意識して動かし、自分の声を注意深く聞いて納得しながら練習していきます。英単語を見ずに発音記号だけを読んで正確な英語を発音出来るようになると、音の違いが判ってきます。自分で正確な発音が出来る訳ですから、ネイティブスピーカーの発音もすんなり聞き取れるようになります。リスニング力も必然的に向上します。
英会話の為の発音だけを習得したい方は此処でレッスンは一旦終了です。この時点で発音の仕方がわからない言葉は、自分で辞書さえ引けば一目瞭然になります。そして、英語の母音を正しく発音できるようになっていると、歌う為の声(響く声)も自然に出来てくるというメリットがあります。という事は、あなたの英語の話し声が日本語で話していたときより、良く通るようになっているはずです。
歌う為の声作りと4ビートのリズムを身体に叩き込む
言葉をスイングさせて歌う=JAZZ Vocal
次にようやく、歌う為の声作りと声量を上げる(肺を大きくする)数々のヴォイストレーニグをしながら、喉を傷めずに声を出しコントロールする練習をしていきます。一言で呼吸法と言ってもいいでしょう。多くの人が腹式呼吸について、お腹を膨らませて息を入れる事と勘違いしています。人間が吸った息は基本的に肺に入ります。正しい呼吸法を学び、ヴォイストレーニグと並行しながら、歌を歌う作業に入ります。最初の課題曲では徹底的に歌詞を音読し、4ビートのリズムに歌詞を乗せるトレーニング、そしてメロディーをつけて歌い込んでいきます。発音から一曲を仕上げるまではかなり時間がかかりますが、ジャズ独特のスイングと発音の関係が理解できるようになり、2曲目からの習得が早くなり、ジャズを歌う事が楽しくなります。
- ジャズと英語の発音に特化したブログJazz恋ブログを始めました。今は発音解説が主ですが、ジャズのスタンダードソングの解説やNYのジャズシーン等も網羅していきます。興味のある方はこちらもご覧くださいね。