切れたつがり糸を抜いてみると、所々ちぎれそうな場所も発見。 長年頑張った糸。 |
お稽古用の花兎金襴の緒のつがり糸が切れてしまいました。社中の皆さんが使うお仕覆なので、つがり糸もとうとう寿命が来たようです。
お稽古の帰りにガーメントディストリクトで糸探し。但し、ここはアメリカNY。つがり糸というものは売っていません。(涙)色々店を回ってみましたが、似たような太さの絹糸はあっても、このお仕覆の緒の色(葡萄色というのか、臙脂のような紫)が無い!そうですよね、こういうお茶のお道具や着物の色というのは、日本の古代色、DIC(旧大日本インキ)のカラーチャートの日本の伝統色の色が使われている訳です。欧米では使われない色なんですよね。世界中の洋服の材料が集まるここ、NYのガーメントディストリクトにも、日本の色は無いのであった。絹穴糸すら売っていないんですよ。

日本という国は独特の文化を持った国なんだなーと思いながら街を歩き、ビーズやパールを連ねる絹糸でちょうど良さそうなのないかしら?とビーズ関係の問屋へも行ってみたけど、やっぱり色がない。先生からは、最悪の場合は似たような糸なら絹でなくてもいいと言われていたので、店中をぐるぐる回っていたら、ちょうど良さげな太さで色合いのヤード売りのコードを発見。素材はコットンなので、絹糸の様なツヤは無いけど渋い感じでいいかも?
つがり糸を解いて裏返してみると、このつがり糸はかなりキツ目にかがってあるので、今回は緩めにかがることに。ちょうど自宅にあった、茶席の袋物の本の糸のかけ方を見ながらチクチク運針開始。既に糸がかけてあった穴が空いているので、針も通りが良く刺すのは楽でしたが、表裏と針の通し方を交互にしなければならないので、かなり頭の体操になりました。特に、縫い閉じは縫い始めの逆なので、頭で理解するまでに少々時間がかかってしまいました。古い方のかがりの調子よりも緩やかに調整してから、端を閉じます。もう片方は以外とスムーズ。ポイントは糸かがりの調子が最初の方と同じ締め加減にならないと、引き締めた時に片方はスルッと引けるのに、片方はスムーズに動かないことが起こる。そして、つがり糸をかがってから全体を調整するということは、生地を傷めがち。きっとプロはかがる時点で均等な調子でするんだろうね。
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完成しました。 |
後でわかったんだけど、絹穴糸を2、3本縒って使う手もあるらしい。でも、それってどうやるのかしら?とりあえず、今回はこれで勘弁してもらって、クレームが来たら絹穴糸糸縒り作戦にしよう。同じ色の絹穴糸を日本で買って来ないといけないけどね。(笑)