2024年2月19日月曜日

ハンドメイド*大正ロマンの着物からワイドパンツ

 

久々にアンティークの着物を解いて洋服を作りました。ブログも本当に久しぶりに更新です。パンデミックの間に大学に通い、昨年卒業してその後、日本に里帰りをしたり、本当にバタバタしていました。


このお着物は骨董コレクターの陶芸家の伯母から、ずいぶん前に断捨離でいただいたものです。彼女はこれでお人形を作ろうと思っていたみたいです。八掛は肉色、胴裏には真っ赤な紅絹が付いていました。私は少しの間自分で着られないかな?と思ってとっておいたのですが、やっぱりサイズがとにかく小さい。恐らく身長が150センチに満たない女性が着ていたんでしょうね。汚れやほつれもかなりあったので、思い切って解いて洗うことに。


一時期Dories Van Notenの大胆なフラワープリントに憧れた時期もあったけど、和服の花模様もこうやってお洋服にしてみるとパワーがありますよね〜。地色はいわゆる日本の藤紫とお抹茶色の暈しのコンビ。独特の渋さの中に艶の有るデザインですね。華奢な女性なら夢路美人、豊満で色っぽい女性が着るとアダっぽくなりそうな雰囲気。

パターンはYouTubeで適当なのを探して、丈は自分好みにしてみました。今回はパイピングのポケットにも挑戦してみました。




このお着物は何度も何度も仕立て直して大事に着られていた様で、あちこちに掛けはぎがしてありました。仕立ての縫い目もザクザクと大きくて、仕立てたのは和裁士さんじゃ無いかもね。昔は自分で洗い張りしてたから、ひょっとしたらご本人とかお婆ちゃんとかかもしれませんね。なんだか縫った人や着ていた女性の大らかさがわかる感じがしました。着物を解く時の楽しさはこういう所ですよね。




ミシンで塗っている最中にも、縫い目が裂けてきたので、縫い目を薄手の接着芯で補強しながら縫いました。多分、着ている間にシームの布が所々裂けてくるとは思うけど、腰回りには比較的新しい着物の薄紫の八掛で裏地をつけているので、仮にお尻の縫い目が裂けてもまあ惨めな感じにはならないでしょう。その代わりにお尻周りが、気持ちふっくらしてますね。私の大きなお尻が強調されてる感じ。(笑)
それでも、このパンツでお茶のお稽古はやめておこう。にじる時にビリっといきそうだからね。

秋冬はこんな感じでスタイリング。春になったら白いブラウスやTシャツと合わせてみようかな?ジャズライブには黒のスパンコールのトップスが似合いそうです。



2022年8月6日土曜日

ハンドメイド*夏の着物を解いてワンピース

 

2022年の夏休みは、コロナに感染したりであまり気力がなかったけれど、思い立ってワンピースを作りました。

とにかく風通しの良いムームーの様なワンピースを薄物の生地で作りたかったので、レシピはネットで探して、とにかく直断ちでサッと作れる簡単な形を選びました。

身頃は解いた身頃の着物を左右、前後と4枚剥ぎ合わせただけ。脇は直線で襟ぐり見返しだけの仕立て方です。



生地は黒地に流水と紅葉です。かなり古いのと乱暴に解いてあったので、縫い目は所々に穴があり、肩の部分には穴を塞いで繕ってありました。(笑)

写真では真っ黒に見えますが、後ろから光が当たると透けます。下には黒いキャミソールを着ています。白いキャミソールに白いワイドパンツでスタイリングもしてみたいです。


出来上がりの身丈が120cmのロング丈にしたので脇に20cm弱のスリットを入れました。

着物の布巾が36cmほどで身幅が広いので、肩が二の腕の中程まで落ちて、一番太い所を横切る感じで袖先になり、全体のシルエットは袋をかぶっている印象になりました。





シルエット的に垢抜けず、腕も太く見えるので中に5センチほど内側(裏)に織り込んで、脇もその分タックをとって、脇下のあき止まりから10cm位下がった所をボタンで前後を止めています。ちょうど良い具合にフレンチスリーブ感が出て、二の腕も逆Vに現れるのでスッキリしました。







ハンガーに掛けると、何の事は無い四角いワンピース。

肩下がりを斜めにカットしているので、肩先を内側に折り込むとピンと立ってしまうのですが、それはそれで袖口っぽい仕上がりになるので良しとしています。(笑)

形がシンプルな分、着る人の体型や雰囲気で変わるので、また違う生地で作ってみたいと思います。

2021年8月19日木曜日

ハンドメイド*木綿の洋服生地で着物 Vol.3

コンサートから帰宅した夜
ジェブさんが撮影

 


夏休みを利用して、木綿の洋服生地から着物を作る第三弾は帯です。

冬の間にEtsyで買った可愛い生地で、早速お得意の2部式名古屋帯と、半幅帯を作りました。

(帯その1)

ジャズヴォーカリストの血が騒ぐ、可愛いジャズ演奏楽器をモチーフにした黄緑色のプリントを発見。いつも通り、リバーシブルで使える様に腹合わせにするので、音楽つながりでデザインテイストもマッチする音符をデザインしたグレーの生地を選びました。


所が、Etsyのショップで購入可能な長さがどちらも残り少なく、幅広ということに望みをかけて1ヤードづつ購入したと記憶しています。上手くすれば名古屋帯一本取れるかな?と思ったけど、洗ってプリントの柄ゆきをみて無理だと判断。

なんと、グランドピアノのプリントは反転されていて、左右の向きが逆転しているピアノの方が多かった。ピアノを演奏する人ならすぐわかる、何か変だと。ピアノは右へ行くほど高音域、左側は低音ですから、左のピアノ線の方が長いはずなんですね。

あくまで楽器はデザインのモチーフでしかなくて、細かい事にこだわら無いデザイナーさんだったのでしょうね。デザインを学んだ身としてはこういう所でデザイナーのこだわりが出るんだな〜って改めて感じてしまった。

さて、困った。主人はピアニストだし、私たちの周りはミュージシャンばかり、そもそもジャズライブに着ていくのが目的だから、頭をひねって表に見えるところに正しいピアノの絵を持ってくる様に繋ぎ方を考えました。

左の写真2枚はセルフィーなので、左右が逆転しています。ちらっと見える音符のグレーの裏が可愛いでしょ?

冒頭の写真、ギンガムチェック着物を着て、主人が演奏するコンサートへ行って着たときの事です。コンサートホールの近くをジェブとベーシストのデイビッド・ウォンと歩いていると、中国人の年配の紳士に呼び止められて、「あなたは日本人ですか?私は昔満州にいました。」と英語で言われました。私は一瞬私の着物姿で辛い過去を思い出して何か言われるのかな?と考えましたが、その紳士は満面の笑みで日本語の歌を歌ってくれました。「この歌を知っていますか?」と聞かれたのですが、多分戦前の歌らしく、全く知ら無い曲でした。『夜来香』や『蘇州夜曲』だったらわかるんですけどね。丁度主人と一緒に歩いていたので、「彼はご主人ですか?日本語を話しますか?話せ無いの?奥さんから習いなさいね。」と言って、この紳士は名残惜しそうに去って行きました。若い頃に日本人との良い思い出があった方なのかもしれませんね。一緒にいたデイビッドは中国人と白人のハーフですが、戦前からの日中関係の歴史認識までは持ち合わせてい無いので、私たちの様子を面白がって見ていました。老紳士には「君は中国語話せ無いの?」と突っ込まれてしまい、ちょっと笑えました。アメリカには着物に良いイメージを持たないアジア人も少なくないですが、人それぞれなのですね。

Flushing Town Hallの楽屋でのスナップ
向かって右から Jeb Patton (P), David Wong (B)
Antonio Heart (As), Fredy Hendricks (Tp)
Steve Davis (Tb) and Vince Ector (Ds)

ビールグラスの半幅帯

(帯その2)

こちらはEtsyで発見したポップで可愛いビールグラスシリーズの木綿生地。着ていて楽しくなる半幅帯を作りたいと思って、この生地を2ヤード買いました。ほぼ全てのビールのスタイルを網羅しているので、見ていて本当に楽しいです。

私が飲んでいるIPAはこれ、あなたのピルスナーはここだ!とかね。

私が住んでいるグリーンポイント周辺にはローカルブルワリーや直営のバーレストランが色々あります。

笹結び
Greenpoint Beer and Ale Co.はオーナーともお友達です。こんな帯なら夏だけでなく、秋のオクトーバーフェストにも締められそう。コロナが収束したら、またドイツに行きたいですね〜。ケルン楽しかったな。

裏の生地はワインプリントにするか、悩みに悩んだ末、シンプルにリネンブレンドのチェッカー模様で、厚地のインテリアファブリック。幅広なので、ハーフヤードで十分半幅帯分取れます。こちらはNYのファッションディストリクトにあるプロ御用達の生地屋さんで購入。



半幅太鼓結び

ビールグラスのプリントが真ん中に2段になる様に帯幅を多少広げました。私は胴長なので、16cm程度がちょうど良いです。16cmに縫い代をとると、どうしても無駄になる部分が出てくるので、生地を多めに買っておいてよかったです。色々な帯結びをしたかったので、繋ぐ部分が隠れる様に3枚とちょっとを繋いで4メートルに近い長めの半幅帯にしました。

帯は柄合わせをしっかり計画して、長い直線を真っ直ぐに切って縫えば良いので、布と帯芯を断って仕舞えば、後は早いです。因みに芯はアメリカの材料屋さんで売っている洋裁用のメッシュ芯です。柔らかいですが、接着芯より軽くて通気性がありそうなので愛用してます。






2021年7月27日火曜日

2021年の独立記念日の花火

 




2020年はコロナの為に全米で花火大会は中止でしたが、今年のNYはイーストリバーで打ち上げることになって、正に自宅の目の前でてラッキーでした。天候も気温も心地よくパーフェクトな環境。花火は去年の分も打ち上げたのかな?と言うぐらい、今年はこれでもか!と言うぐらい見応え十分でした。(ビデオはオープニングの2分弱です。)

ポテトサラダとコールスローも作ったし、
ホットドックの準備も万端整った!
お客さんが来る前にビールで一服。

いつもならジェブはコンサートやサマーキャンプの仕事で不在な事が多いのですが、今年は一緒に花火を満喫できました。仲間のベーシストDavid Wong夫妻を招いて、細やかに恒例のホットドックパーティー。打ち上げは9時から。NYは夏の夜の8時では、まだ明るいんですよね。屋上に上がるエレベーターの中で、すでに音が鳴り出してワクワクでした。


屋上に出ると、夕方からピクニックをしたり、早めに場所取りをしていた住人達で賑わっていました。屋上への出入りはこの日ばかりは人数制限がある予約制なので、セキュリティーチェックを通って花火観戦。小さな子供達が花火の爆音に合わせて踊り回って、キャーキャーはしゃいでました。

昨年は大きなイベントが無かった分、今年の花火はみんなが楽しみにしていた訳ですよ。イーストリバーには、川面を埋め尽くさんばかりに遊覧船が何艘も出ていて、上空にはヘリコプター。正に非日常でした。私も花火はやっぱり浴衣で観たいよね〜!とお気に入りの菊花菱の浴衣に今年作ったビールグラス模様のプリントの帯を締めてみました。

大人から小さな子供までドキドキワクワクさせる花火は、美しくて迫力のある万国共通の言葉のいらないエンターテイメントなんですね。ストレスフルな日常をつかの間でも忘れさせてくれるし、憂鬱な気分を吹き飛ばして元気にしてくれる、そして厄除けの意味もあります。

元々は武器の爆薬だけど花火にすると人々に感謝されるんだな〜と、しみじみ感じました。


2021年7月15日木曜日

ハンドメイド*木綿の洋服生地で着物 Vol.2

 
木綿の洋服生地で着物をハンドメイドする企画の第二弾。アフリカンプリントの着物です。

前回のブログが5月の末だったので、あ〜っという間に一ヶ月が飛んで行きました。(笑)


NYの問屋街の一角にガーナ人が経営している雑貨屋さんがあります。このお店は在NYガーナ人やアフリカ系移民の方御用達のお店のようで、私が生地を見に行った日もお針子さんの様な方が、大量に生地を購入していました。このお店はとにかく安い。アフリカンファブリックは5ヤード単位で売っている為、ファッションの生地問屋さんで買うと高いんですよね。でもこのお店は半額以下。その代わり店は狭くて雑然としていて広げて見たり出来ないので、カタコト英語のお店のオバちゃんに色々聞いて選びました。


初っぱなからハードルあげちゃった私。柄行きが左右で違う生地を選んでしまったので、まずは生地をざっと裁断して柄合わせを確認。


左右の色柄の出し方で印象が変ぐっとわります。衽をどう取って繋げるかで全体の一体感も変わってきます。

方身代わりもいいけど、袖はやっぱり見頃と逆の色がいいかな。。。とか、イメージが具体的になって一番ワクワクする瞬間ですね。




結局、左右で色が異なる方身代わりで仕立てました。鮮やかなオレンジを右の身頃に持って着たので、ブルーがメインになりました。オレンジは差し色という感じですね。

背中心は布を切らずに縫い込んでいます。












何処と無く臈纈染風で、植物模様なので唐草の和柄っぽい雰囲気ですね。でもやっぱり色合いがアフリカンです。

吉原つなぎの木綿の半幅帯で軽快に装って見ました。踊りの衣装の様な雰囲気になりました。
半衿は伯母から貰った黒っぽいポリエステル着物のハギレで作ったリサイクル半衿です。









さあ、ここからはコーディネート遊び。
写真は鏡で自撮りしているので、左右が逆に写ってますね。(笑)
母から貰ったアンティークの雀の引き抜き帯を締めて見ました。この帯は結び方が限られてしまうし、粋過ぎて中々出番がない帯だったけど、こんな派手な着物だと結構引き締まっていい感じかも?植物繋がりだしね。帯留めはNYのコスチュームジュエリー問屋さんで買ったラインストーンのブローチ。アンティーク風で熨斗目の様な雰囲気があってお気に入りです。こちらはwajaで販売したら速攻で売れてしまいました。問屋さんではもう入荷しそうにないので残念。


こちらはネット通販で買った絹の一重のリサイクル帯。
お太鼓で締めていたであろう部分はシミが酷かったので、洗濯機で洗ってハンドメイド材料か半分に折って半幅帯にしてしまおうかな?と思っていたのですが、こっちも引き抜きで結んでみたら、意外と面白いコーディネートになりました。やっぱり縞って粋。
帯留めはNYのコスチュームジュエリー問屋さんで買った天然石をあしらった小枝のブローチ。中々燻し銀の風合いがあって和な感じです。このブローチもwajaのお店で販売しています。


あともう一枚この夏に縫いたいアフリカンプリントがあるんですよね。こっちは超モダンです。夏休みの間にできるかな?
でもね、実は帯も縫ったんですよ。そちらはまた次回のブログで。