2018年10月3日水曜日

2018年、夏の里帰りツアーは出会い旅

 首都圏での日程を終えて、東京駅から北陸新幹線で長野県へ移動の日。お弁当を買い込んで、新幹線の改札をスーツケースを転がしながら通り過ぎる時、いかにもミュージシャンという風貌のお洒落な男性に目が止まりました。

"Wow, Isn't he TOKU? TOKU-san desu ka...?"
って言ったら、立ち止まってくれた。
しばらく私の顔を見て、固まっていたけど。
"We are musicians, too."
って言ったら、隣で立ち止まっているジェブを見て、すぐジェブだって気が付いてくれた、あのジャズトランペッターでヴォーカリストのTOKUさん。
私達、名乗ってないのに、「Oh, Jeb? Kazue-san!」ってすぐ名前覚えててくれた。凄い記憶力、そして、すごく嬉しい。前に会ったのは確か4年前!
地方から戻った彼と、これから地方へ出かける私達があの小さな北陸新幹線の改札機の所で絶妙なタイミングで鉢合わせ。束の間のご挨拶でした。いつか共演できたら素敵だねって思いながら、後にした東京駅でした。


今年の長野県でのライブは上田市のレストラン柴崎でした。こちらの会場は実家からそんなに遠くないエリアにあり、インターネットで見つけてNYから問い合わせてブッキングしました。ところが、こちらのオーナーでドラマーの柴崎さんは、父の関わっている望月町のイベントで音響を担当されている方でした。なーんだ、既に繋がってたんだね。

多彩なオーナーとシェフの奥様が切り盛りされているレストラン柴崎は、グランドピアノが設置されている、上田の素敵なライブレストランです。親子でお世話になり、本当に恐縮です。


 この夏、ジェブも私も生まれて初めて富山県へ行き、そして演奏しました。
ベースの中村健吾さんの紹介という以外に、地元に何の繋がりもない私達を快く引き受けてくださったニューポートさん。

実は出演にこぎつけるまでには紆余曲折がありました。ウェブサイトに電話番号と住所以外の詳しい情報がなかったため、コンタクトをどのようにとるか悩んでいました。住所で検索すると、同じビルの中にあるハナミズキの部屋というジャズバーが出てきます。訳が分からなくなって、富山の情報をネットサーフィンしていたら、とてもお洒落なテーラーのウェブサイトを見つけてSNSでフォロー。すると、このサイトの管理人さん自ら私にコンタクトしてくださり、この方がニューポートのブッキング担当の方と繋いでくださいました。見ず知らずの方の善意で出演が決定したという、SNSならではの展開に。
後でわかったのですが、ニューポートはハナミズキの部屋が経営しているライブ会場でした。ハナミズキのオーナーはジャズの音を栄養にしているような筋金入りのリスナー。私の歌声をアビー・リンカーンの声と言ってくださり、とても光栄でした。ご子息がブッキング担当。元々はアイボリーのピアノがヤニで琥珀色になっているという、このグランドピアノが中々上々。ジェブもとても気に入っていました。ジャズベーシストでもある調律師さんが丁寧にチューニングしているからでしょうか?
富山の祭り、風の盆の真っ最中にも関わらず、足を運んでくださったお客様。皆さんジャズが本当に大好きな方達ばかりだったのが印象的でした。
立山連峰は残念ながら曇って見えなかったけど、ジェブと昭和な雰囲気の路面電車に乗りました。



 ツアー最後は日本を離れて、お隣韓国が最後のデスティネーションでした。

こちらはジェブのギグ。NYからのフライトでやってくるデイビッド・ウォンと合流して、NYでの教え子であるジャズドラマーのボミ・キムのグループでの演奏です。ソウルでのギグやワークショップの他、彼女のニューアルバムのキックオフライブ、一番の目玉は何と!チルポジャズフェスティバルで、オランダのジャズシンガー、ローラ・フィージーとの共演でした。

ローラと言えば、日本でもバブル期に美人ジャズヴォーカリストとして、とてもポピュラーでしたね。今、韓国でとても人気なのだそうです。ところが彼女はアメリカでは歌っていないそうで、ジェブやデイビッドは全く知らなかったのが何とも以外でした。だから私もリハーサルの日までヴォーカルが誰なのか知らされてなくて、当日びっくりしたんです!
彼女は若かりし頃、オランダのセクシーアイドルグループの1人だったそうです。グループが解散して、彼女はジャズヴォーカリストに転身したそうです。出身は南米ですが、お母様がエジプト人なのだそうです。そう言われてみれば、とてもエキゾチックな顔立ちですね。オランダのディーバは、とてもフレンドリーで気さくな方でした。