2021年8月19日木曜日

ハンドメイド*木綿の洋服生地で着物 Vol.3

コンサートから帰宅した夜
ジェブさんが撮影

 


夏休みを利用して、木綿の洋服生地から着物を作る第三弾は帯です。

冬の間にEtsyで買った可愛い生地で、早速お得意の2部式名古屋帯と、半幅帯を作りました。

(帯その1)

ジャズヴォーカリストの血が騒ぐ、可愛いジャズ演奏楽器をモチーフにした黄緑色のプリントを発見。いつも通り、リバーシブルで使える様に腹合わせにするので、音楽つながりでデザインテイストもマッチする音符をデザインしたグレーの生地を選びました。


所が、Etsyのショップで購入可能な長さがどちらも残り少なく、幅広ということに望みをかけて1ヤードづつ購入したと記憶しています。上手くすれば名古屋帯一本取れるかな?と思ったけど、洗ってプリントの柄ゆきをみて無理だと判断。

なんと、グランドピアノのプリントは反転されていて、左右の向きが逆転しているピアノの方が多かった。ピアノを演奏する人ならすぐわかる、何か変だと。ピアノは右へ行くほど高音域、左側は低音ですから、左のピアノ線の方が長いはずなんですね。

あくまで楽器はデザインのモチーフでしかなくて、細かい事にこだわら無いデザイナーさんだったのでしょうね。デザインを学んだ身としてはこういう所でデザイナーのこだわりが出るんだな〜って改めて感じてしまった。

さて、困った。主人はピアニストだし、私たちの周りはミュージシャンばかり、そもそもジャズライブに着ていくのが目的だから、頭をひねって表に見えるところに正しいピアノの絵を持ってくる様に繋ぎ方を考えました。

左の写真2枚はセルフィーなので、左右が逆転しています。ちらっと見える音符のグレーの裏が可愛いでしょ?

冒頭の写真、ギンガムチェック着物を着て、主人が演奏するコンサートへ行って着たときの事です。コンサートホールの近くをジェブとベーシストのデイビッド・ウォンと歩いていると、中国人の年配の紳士に呼び止められて、「あなたは日本人ですか?私は昔満州にいました。」と英語で言われました。私は一瞬私の着物姿で辛い過去を思い出して何か言われるのかな?と考えましたが、その紳士は満面の笑みで日本語の歌を歌ってくれました。「この歌を知っていますか?」と聞かれたのですが、多分戦前の歌らしく、全く知ら無い曲でした。『夜来香』や『蘇州夜曲』だったらわかるんですけどね。丁度主人と一緒に歩いていたので、「彼はご主人ですか?日本語を話しますか?話せ無いの?奥さんから習いなさいね。」と言って、この紳士は名残惜しそうに去って行きました。若い頃に日本人との良い思い出があった方なのかもしれませんね。一緒にいたデイビッドは中国人と白人のハーフですが、戦前からの日中関係の歴史認識までは持ち合わせてい無いので、私たちの様子を面白がって見ていました。老紳士には「君は中国語話せ無いの?」と突っ込まれてしまい、ちょっと笑えました。アメリカには着物に良いイメージを持たないアジア人も少なくないですが、人それぞれなのですね。

Flushing Town Hallの楽屋でのスナップ
向かって右から Jeb Patton (P), David Wong (B)
Antonio Heart (As), Fredy Hendricks (Tp)
Steve Davis (Tb) and Vince Ector (Ds)

ビールグラスの半幅帯

(帯その2)

こちらはEtsyで発見したポップで可愛いビールグラスシリーズの木綿生地。着ていて楽しくなる半幅帯を作りたいと思って、この生地を2ヤード買いました。ほぼ全てのビールのスタイルを網羅しているので、見ていて本当に楽しいです。

私が飲んでいるIPAはこれ、あなたのピルスナーはここだ!とかね。

私が住んでいるグリーンポイント周辺にはローカルブルワリーや直営のバーレストランが色々あります。

笹結び
Greenpoint Beer and Ale Co.はオーナーともお友達です。こんな帯なら夏だけでなく、秋のオクトーバーフェストにも締められそう。コロナが収束したら、またドイツに行きたいですね〜。ケルン楽しかったな。

裏の生地はワインプリントにするか、悩みに悩んだ末、シンプルにリネンブレンドのチェッカー模様で、厚地のインテリアファブリック。幅広なので、ハーフヤードで十分半幅帯分取れます。こちらはNYのファッションディストリクトにあるプロ御用達の生地屋さんで購入。



半幅太鼓結び

ビールグラスのプリントが真ん中に2段になる様に帯幅を多少広げました。私は胴長なので、16cm程度がちょうど良いです。16cmに縫い代をとると、どうしても無駄になる部分が出てくるので、生地を多めに買っておいてよかったです。色々な帯結びをしたかったので、繋ぐ部分が隠れる様に3枚とちょっとを繋いで4メートルに近い長めの半幅帯にしました。

帯は柄合わせをしっかり計画して、長い直線を真っ直ぐに切って縫えば良いので、布と帯芯を断って仕舞えば、後は早いです。因みに芯はアメリカの材料屋さんで売っている洋裁用のメッシュ芯です。柔らかいですが、接着芯より軽くて通気性がありそうなので愛用してます。