2013年6月13日木曜日

私のファーストアルバムがリリースされました

昨年春に2度に渡ってレコーディングした、私のファーストアルバム"Dream Flight"がリリースされました。8年前にNYへ来て以来の念願のCDです。




改めて出来上がった作品を見ると、日本で歌っていた頃とはまたひと味違って来た自分が見えます。NYで結婚した直後、歌わなかった時期が5年間程ありました。自分でも不思議でしたが、歌わなくても居られた。結婚して幸せだったからでしょうか?確かに独身時代は歌う事で、自分の心にあいた穴を埋めていたかもしれません。
主人の前で歌うのが恥ずかしかった時期もありました。伴奏してもらっても、あまり巧くフィーリングが噛み合わない。主人がピアノを毎日何時間も練習していて、家中にクラシックからジャズの音が満ちていて、自分から音楽を求める必要も無くなった事もあるかもしれません。

また、これは私の脳の機能だと思いますが、英語で生活する事が日常的になってから、逆に自分が覚えていた英語の歌詞を、もの凄い勢いで忘れて行ったこともあります。日本に居た頃はジャズスタンダード50曲位は歌詞が頭に入っていましたが、突然歌を忘れたカナリア状態になってしまった。これは自分でも驚くやら、情けないやら。多分、日本に居た頃は英語の歌詞を台詞の様に覚えていたけど、アメリカに来た途端に英語をそのまま英語で理解する様になり、それ迄使っていなかった回路が働き始めたせいか、脳がリセット状態になってしまったからではないか?と勝手に解釈しています。恥ずかしながら、今では日本に一時帰国すると日本語を吃ってしまう私です。

そんなこんなで、NYで面白い仕事にも就いて忙しい日常を過ごしているうちに、本当にやりたかった事や自分は何者か?を見失っていた事に気がついて、主人や友人達の協力を得て此のアルバム制作に至りました。特にドラマーのAlbert "Tootie" Heathは御歳77歳。Herbie Hancock, Toshiko Akiyoshi, Dexter Gordon, Sonny Rollins, Lester Young, John Coltrane, Nina Simone, MJQ 等早々たるメンバーと演奏をして来たジャズジャイアンツの一人です。有り難い事に、全曲参加して頂く事が出来ました。
毎日の様に歌っていた日本に居た頃の歌声では無くなっていると思うけど、若い頃に歌えなかった歌が歌える様になって来たかもしれない。主人のお陰でアレンジにも力を入れる事が出来たし、オリジナル曲も加える事が出来ました。

オリジナル曲の”Dream Flight”は主人が作曲した曲が歌えそうだったので、英語で言葉遊びをしながら詞を付けました。『自分には翼がある。今夜、自由に空高く飛ぼう。自分には夢がある。その夢を分かち合い、今飛び立とう。時や周りの事なんて気にする必要なんてない。今、この風をつかんで飛ぼう。』という単純明快且つ、ポジティブな内容です。これは私が30歳を過ぎて夢を頼りに、NYに独りやって来たことがベースにあります。

CDはcdbabyから発売されました。
iTunesからダウロードも出来ます。ご興味のある方はjazzのカテゴリでKazue Pattonで検索してみてください。