2014年7月11日金曜日

ハプニング続出!小布施BUD、地元の皆様のご協力の賜物。

6月14日土曜日、小布施BUDは今回のツアーの最後の会場でした。何のツテも無く、NYから直に出演交渉の末、機会を与えて下さった会場でした。

開場直後のBUD。田舎は自家用車以外に交通手段が無く、夜道は真っ暗。
高速道路を車で片道一時間以上かけて来られたお客様、感謝感激です。

それでも、小布施BUDと私達は全く関係が無いと言う訳ではありませんでした。私が大学生の頃に一ヶ月程長野市内の母の実家に滞在し、小布施市の隣にある須坂自動車教習所に通っていた事があり、長野市、小布施市や須坂市の境を路上教習していたので、小布施はとても懐かしい所でした。
実は2002年に、ジェブの大学院時代に大変お世話になったジャズピアニストで教授の故Sir. Roland Hannaが出演していたジャズ喫茶です。ローランドはこの時の日本ツアーの最中に体調が悪くなり、残りのコンサートを中止して帰国、他界され、実質小布施BUDでの演奏が彼の生涯最後の演奏と成ってしまったという経緯がありました。

お洒落で文化的なBUD****
BUDさんは小布施の穀平(こくへい)味噌醸造という老舗の味噌屋さんの味噌蔵を改装したお店です。ジャズやクラシックピアノが大好きなオーナーさん所有のアナログレコードコレクションの名盤を、これまた貴重な真空管スピーカーで聞く事が出来ます。そして、天井の高い素敵な空間で、素晴らしい音を聴きながら、入れたての美味しいコーヒーを堪能出来る場所なのです。

致命的なハプニング****
こちらはライブハウスではないので、生音の大好きなオーナーさんがグランドピアノをおいているだけで、音響設備はありません。私の方でボーカル用のスピーカーと簡易PA、マイクのセットを近くの会社で借りる段取りをしていましたが、なんと当日その会社に誰も居らず、誰にも連絡が取れず、生声で歌う事に成ってしまいました。(後で分かったのですが、翌日曜日と日にちを間違えて居た様です。)
苛立つ気持ちを落ち着かせて、最初のセットはマイク無しで歌いました。私はオペラ歌手では無いので、ベルカントのトレーニングはしていないですし、また地声でつぶやく様な歌い方をする場合は人の体に音を吸収されてしまい後方迄声が届かないので、やはりマイクは必須です。当日は50人近いオーディエンスが居たので、最初のセットでは後ろの方の方達は歌の間のMC(曲の説明やトーク)が全く聞こえなかった様です。本当に申し訳ありませんでした。

ところが!丁度小布施にお住まいのお客様の中で、趣味で簡易PAシステムを所有している方が居られました。家に帰って持って来て下さるとの事!!!
なんという救いの神でしょうか!これも何かの巡り合わせか!と言う事で、後半のセットは無事にマイクを使って歌う事が出来ました。

地方は文化的エンターテイメントが都会程溢れていないと言う事もあり、聴く人達の熱気が私達にもダイレクトに伝わって、会場にぎっしりと着席されたお客様と真剣に対峙して音楽を奏でた、というライブでした。
ジェブもローランドのアルバムジャケットの飾ってある前で、彼の弾いたピアノをきっと何かを感じながら演奏していたと思います。

BUDにお越し頂いたお客様、小布施BUDの皆様、そして親戚縁者の皆様、簡易PAシステムを無料で提供して下さった山岸様、本当にありがとうございました!